会社分割 詳細
合同会社を分割型分割で新設分割すると
合同会社を分割型分割で新設分割する場合、少しばかり検討を要します。
分割計画書で、設立会社の成立の日を効力発生日とし、効力発生日に、剰余金の配当として新設会社の持分全部を分割会社の株主に配当する旨の定めを記載し、分割会社の株主総会でも会社分割の承認と共に剰余金の配当を承認した場合(分割型分割)の登記申請の内容は次のとおりです。
(社員に関する事項以外は省略)
「社員に関する事項」
「資格」業務執行社員
「氏名」株式会社X
「社員に関する事項」
「資格」代表社員
「住所」省略
「氏名」株式会社X
「職務執行者」
「住所」省略
「氏名」職務執行者 A
「社員に関する事項」
「資格」業務執行社員
「氏名」株式会社X
「原因年月日」令和◯年◯月◯日退社
「社員に関する事項」
「資格」代表社員
「住所」省略
「氏名」株式会社X
「職務執行者」
「住所」省略
「氏名」職務執行者 A
「原因年月日」令和◯年◯月◯日退任
「社員に関する事項」
「資格」業務執行社員
「氏名」A
「原因年月日」令和◯年◯月◯日加入
「社員に関する事項」
「資格」業務執行社員
「氏名」B
「原因年月日」令和◯年◯月◯日加入
「社員に関する事項」
「資格」代表社員
「住所」省略
「氏名」A
「原因年月日」令和◯年◯月◯日就任
「登記記録に関する事項」福岡市◯◯株式会社Xから分割により設立
※年月日はすべて登記申請日です。
※当初、組織再編の一連の手続として、株式会社Xの業務執行社員や代表社員としての登記や退社については登記すべき事項にあげていませんでした。しかし、登記すべきであるという補正通知を受け、上記のとおり補正しました。
法務局内でも意見が分かれていたようですので、同様の事例の場合、法務局に事前に相談されることをお勧めします。
新設分割-債権者保護手続省略-
X社を分割会社、Y社を新設会社として、新設分割を行う場合、X社がY社への承継債務について重畳的に債務引受すると、債権者保護手続が不要となり、短期間で分割の手続をすることができます。
この場合、分割計画書に重畳的債務引受をする旨の記載をしておきます。
新設分割-第49条適用の分割型分割-
X社を分割会社、Y社を新設会社として、新設分割する場合、新設会社の株主資本等については、会社計算規則の定めによりますが、会社計算規則の第49条型分割と第50条型分割という方法があります。
また、新設会社の株式は分割会社に割当てられますが、当該株式を分割会社の株主に割当てるには、分割会社の株主総会で会社分割を承認と共に剰余金の分配により新設会社の株式を分割会社の株主に配当する決議を要し、この方法による会社分割を分割型分割といいます。
*50条型分割の場合は分割会社の資本金の額の減少を同時に行う必要があります。
吸収分割と吸収合併
分割会社をA社とし、吸収分割承継会社をB社、そしてA社を存続会社、C社を消滅会社とする吸収分割と吸収合併で、同日に効力が発生する場合、これらの登記申請も同日に行います。
登記申請自体は難しいものではありませんが、債権者保護手続や契約書等各書類の作成、期日管理など会社分割と合併それぞれに手続が必要なものと一緒に行ってよい手続などがありますので、手続に遺漏がないよう細心の注意が必要です。